
福祉から“グランピングリゾート”へ。補助金が後押しした第二の事業の柱
2025年8月8日
動物病院向け医療機器の販売や新規開業支援を全国で手がけてきた株式会社M&T。獣医療現場に寄り添った提案と供給体制を強みに、着実な信頼を築いてきました。しかし、業界特化ゆえのリスク分散を模索する中で浮上したのが、「全く異なる事業領域への挑戦」という構想です。新型コロナによる需要変動をきっかけに、異業種参入の第一歩として選んだのは、インドアシミュレーションゴルフ事業。未知の分野への挑戦を後押ししたのが、事業再構築補助金とHigh Adoptionによる申請支援でした。今回は、その挑戦の背景から採択に至るまでの経緯、そして新事業の展望について伺いました。
株式会社M&Tは、動物病院向けの医療機器の販売、新規開業支援事業を中心に展開してきました。 獣医療の現場に寄り添いながら、適切な商品提案と迅速な供給体制を強みに、全国の動物病院と信頼関係を築いてきました。
医療業界に特化した事業で安定した基盤は築いてきましたが、一方で業界特化ゆえのリスク分散の必要性も感じていました。 新型コロナの影響で医療機器需要に一時的な変動があったこともあり、「全く異なる事業領域で新たな収益の柱を作りたい」と考えたのがきっかけです。 ただし、異業種であることからノウハウや初期投資の不安も大きく、補助金の活用が現実的な選択肢となりました。
補助金の制度を調べる中で、実績や対応の柔軟性を重視して支援先を探していました。 High Adoptionさんは、元々動物病院向けのものづくり補助金の支援で繋がりがあり、弊社の既存事業の業界知識も持ち合わせていたため、補助金申請の依頼をすることにしました。
まったく異なる分野への進出だったので、事業としての説得力や収益性をどう表現するかに悩んでいました。 また、補助金申請書には専門的な構成や言葉選びが求められるため、自力で進めるのは正直難しいと感じていました。
初回のヒアリングでは、当社の現状や今後の方向性をしっかりと引き出していただきました。 その内容をもとに、構成案や必要なデータ項目を段階的に提示してくれたため、迷うことなく進めることができました。
親しみやすく、かつとても論理的な方でした。補助金のルールに精通しているだけでなく、私たちの意図を汲みながら形にしてくれる安心感がありました。
審査の観点や読み手の意図を意識した表現に細かくアドバイスをいただけた点が印象的でした。 客観的な視点で事業内容を見直すきっかけにもなり、結果的に自社の強みや事業構想が整理されたのもよかった点です。
新しいチャレンジに踏み出す覚悟はしていたものの、やはり採択通知を見た瞬間はホッとしました。 初めての補助金申請だったので、「本当に通るのか」という不安も正直あったので、嬉しさと同時に身が引き締まりました。
新たにインドアシミュレーションゴルフの施設を立ち上げました。設備としては高性能なシミュレーターを導入し、法人利用や初心者層も楽しめるような空間設計にこだわりました。 オープン後は口コミやSNSの反響もあり、立ち上がりとしては順調です。
今回の補助金活用で、事業の多角化に向けた第一歩を踏み出すことができました。 将来的には複数店舗展開や、医療業界で培った営業ネットワークを活かした法人向けゴルフイベントなども視野に入れています。
補助金は資金面だけでなく、事業構想を言語化・構造化する上でも大きなきっかけになると感じました。 初めて取り組む際には不安も多いかもしれませんが、信頼できるパートナーの支援があれば、前向きに進められるはずです。 私たちもそうでしたが、「やってみたい事業」がある方は、補助金というチャンスを活かす価値があると思います。