にしき動物病院様×山下様 インタビュー内容(対談形式)

左から: にしき動物病院 西本様 / 山下様 / (株)High Adoption チーフ 森本 宏海

西木先生のこれまでのご経歴や、「にしき動物病院」の創業からの沿革や特徴を教えて下さい。

西木: 日本大学の農獣医学部を卒業後、神奈川の病院で勤務医をしていました。
当時、女性の獣医師は少なく、勤務時間も長かった為、「育児や家事を行う女性は雇われづらく、働きづらい」環境で、私が勤めていた病院も当時は朝の8:30~21:30までと診察時間は長く、1日100件くらい外来がある忙しい病院でした。
そんな勤務医時代に、娘を妊娠したことがきっかけに開業を考え始めました。

インタビュアー: 育児が落ち着いてからキャリアを考える方が多い気がしますが、どんな経緯だったのでしょうか?

西木: 私の場合、妊娠が発覚してから、急な退職で迷惑をかけられないと思いましたし、院長からもできるだけ残ってほしいとお願いされ断れず、妊娠 8ヶ月頃まで勤めていました。
出産の為に退職してから色々考え、やはりこの仕事は好きですが、出産でのブランクを抱え育児をしながら勤務医として働くことは、当時の環境からは難しいと考えました。
そこで「私自身で女性獣医師が働きやすい病院を作ろう」と思いました。

病院を開業してからは、1次診療施設として、しっかり患者さんとお話をして診察することを意識した一方、出来る限り手術も含めお昼前に終わらせて、従業員には時間に余裕をもち健康的な生活を過ごしてもらえるよう意識をしました。

働く女性スタッフの家事や子育てがどれだけ大変かも理解しておりますし、開業当時は男性が家事育児に参加しないことが当たり前でしたので、「女性の獣医・スタッフが働きやすく」を第一に考えていましたね。

西木先生がこれまで医院経営で、特に苦労されたことがあれば教えてください。

西木: 子育てをしながら経営することが大変でした。
子供が体調を崩している中、夫が単身赴任で不在の時期があり、子守りをしなければいけない為どうしても診察対応が難しく、患者さんに他の病院を紹介しようとしたら怒鳴られたこともありました。

開業したばかりで「こっちだって具合が悪いのに!」とは言えず。第2子が生まれた後も、長女に下の子の子守りをお願いしたこともありましたね。自分の時間は全く取れず、子育てと仕事の両立は大変でした。

西木先生が今回、事業承継を検討されたきっかけを教えてください。

西木: 以前から、65歳くらいまでに仕事をやり尽くし、引退後は自分の時間を作りたいと思っていました。一方で、引退時は患者さんとスタッフには迷惑を掛けないように、もともと事業承継の選択肢を考えておりました。

ただ、後継者となりうる勤務医はなかなか採用できず、獣医師でたまに手伝ってくれていた娘に継ぐことも考えましたが、娘自身も自身で経営するまでの考えは無く、自身のやりたいことをやってほしいと思ったので、第三者への承継を選びました。

山下先生のこれまでのご経歴や、得意とされている領域等を教えてください。

山下: 僕は北海道の高校卒業後、日本獣医生命科学大学で学び、卒業後は都内の2次診療病院へ就職しました。その後、腫瘍外科をより深く学びたい想いから、勤務医として働く傍ら、日本獣医生命大学付属動物医療センターの主要外科専科研究医となりました。

その後、複数の都内グループ病院での勤務や、複数の病院で、スポットで代診勤務、救急病院での勤務を経験しました。得意な科目は外科と腫瘍科ですね。

山下先生が勤務医から独立開業を志したきっかけや時期を教えてください。

きっかけは2つあります。

1つ目は結婚をしたタイミングで、将来のことをイメージしたことがきっかけです。
自分が65歳くらいまで働くと考えた時、「臨床医としての寿命はどれくらいあるんだろう」と考えたら、得意な外科をメインにやっていくとなると、目の見え方など万全に働けるのは、実際4~50歳代が限界だと感じました。

その年齢以降で雇ってくれるところはあまりないのではと考え、今のところは勤務医としてずっと働くイメージがつきませんでした。一方で家族を養わなければいけないですし、自分に何かあった時に家族に何か残しておけるものが無いといけないと思い、自分で病院を経営すれば、その病院は資産になると考えました。

自分に万が一のことがあっても、病院を妻やもし子供ができれば子供に譲ることで、保険のように繋いでいけるのではないかと考えたのが一つ目の理由です。

2つ目は、やはり自身の考えで経営をしていきたいと感じたことです。

自分が過去に務めた病院もある程度の組織でしたので、自身が「こうした方がより良くなるのにな」と感じた部分をすぐに経営者が反映してくれるわけではなく、どうしても現場サイドと経営サイドにギャップがありました。
働くスタッフの中にも不満が募っているのに、勤務する組織が大きい程、改善に時間がかかることに違和感があり、「それなら自分で病院を作るしかない」と思うようになりました。

山下先生は当初どのような病院を探されていたのか(エリア・規模等)、また今回にしき動物病院の譲受を決断された経緯を教えてください。

山下: エリアとしては、自身が東京でずっと働いていたことともあり「1都3県で、かつ妻の職場へも通いやすい所」で探していました。予算については、開業する為には銀行の融資が必要になりますので、無理なく融資を受けられるのが想定される「1次病院で売上3,000万円~4,000万円程度」の病院を想定しておりました。

にしき動物病院はエリア・規模間も合致しており、開業後30年経っている割にとても綺麗にされており、西木先生とスタッフの人柄の良さに惹かれて承継を決意しました。

両者お会いした時や、病院見学の時の印象はいかがでしたか?

山下: 先程申し上げた通り、30年間経営しているのに、とても清潔に保たれているなという印象を受けました。これまで承継物件を探す中で色々病院を見学させて頂きましたが、もっと散らかっている病院や、犬舎猫舎が悪臭で入れないような病院もたくさん見てきました。
院内設備は年季が入っているものも多いですが綺麗に手入れされ物持ちも良いので、これまで大切に運営されてきたのだろうなと感じました。

西木: そうですね。私は従業員に対して最初に「汚い環境だと病気は治らない」ということをずっと言い続けてきましたので、汚れたらすぐに清掃するように指導をしていました。

山下: 素晴らしいですね。お話するなかで、患者さんやその家族を大切にする姿勢にも感銘を受けていました。

インタビュアー: 西木先生は、山下先生へのご印象はいかがでした?

西木: 最初にお会いした時から、「この人なら大丈夫だな」と感じました。実は、山下様とお会いする前に、一人雇われ院長をしていた開業希望の獣医師と会ったことがありましたが、面談後には不安な印象を感じていました。

一方で、山下先生に一目お会いしたらとても安心しました。私も30年、色んな人を見ながら診察や運営をしてきたので、この直感は間違いないと思います。

山下: ありがとうございます!!(笑)

(西木先生)従業員様に承継の事を正式にお伝えしたときはどのような反応でしたか?

西木: 前からスタッフには、引退を考えていることは伝えていて、スタッフからは「ちゃんと次の後任を見つけてくださいね!」とは言われていたので、特に変わったリアクションはなく、安心してもらえたと思います。

むしろスタッフの中にも、ずっとここで働きたいと言う人もいて、「早く次の人見つけてください!」と急かされていたくらいでしたので。

(山下先生)承継後約3ヵ月が経過します。経営に関してや従業員様とのコミュニケーションで意識されていることはございますか?

山下: 引継ぎの時に、前もって雇用条件や営業方針について、西木先生に協力してもらい、従業員にアンケートを取らせて頂きました。自分が想定していた方針と、従業員が望む方針に少しギャップがあったので、従業員とよく話し合い、従業員の考えを尊重することを意識しました。

この話し合いで気付いたことは、待遇面よりも働きやすさを大切にされていることがわかり、承継時には分からなかった新たな気づきがありました。

(西木先生・山下先生)High Adoption並びに担当者の事業承継支援はいかがでしたか?

左から: にしき動物病院 西本様 / 山下様 / (株)High Adoption チーフ 森本 宏海
左から: にしき動物病院 西本様 / 山下様 / (株)High Adoption チーフ 森本 宏海

西木: 良い人をすぐにご紹介頂いて、想定よりも早く承継相手を決めることができ、安心しました。
私の承継相手に対するご希望をしっかりと理解頂けたからだと考えます。とても良くして頂き、感謝しております。

山下: 担当の森本さんには最初から丁寧親切に対応していただき、本当に感謝しています。
融資の段取りや、前院長との交渉がスムーズにいったのは、担当者の手腕によるところが大きいと思っています。

(西木先生・山下先生)今後病院の事業承継・承継開業を考える方々へ、経験者としてアドバイスをお願い致します。

西木: 病院の院長としての重圧はとても大きく、それを長年続ける事、そして私においては子育てをしながらでもあり、本当にきつかったです。これから開業を目指す獣医さんは強い意志を持って臨んでほしいと思います。

また私は事業承継を考えた時、まず承継後の先生が収入を維持していけることを第一に考えて、引き渡しまでペースを落とさずに病院運営を行いました。「自分は辞めるからよし」ではなく、引き継いで頂く先生が譲り受けてよかったと思ってもらえるように承継日まで病院運営を繋いでいくことが大事だと考えます。

私は承継後の現在、週2回一緒に働かせていただいています。すでに新しい院長の病院の為、経営の決定権はお任せしましたが、スタッフや患者様が戸惑うことなく引き継げております。

山下: 交渉から、承継・開業準備には想像以上に時間を要する為、期間に余裕を持ち準備することが望ましいと思います。

また、院内の体制を大きく変える場合は、繁忙期までに開業しておきたい気持ちもわかりますが、繁忙期を避けた方が、承継・開業準備、診療にも余裕が生まれて、良い側面もあると思います。また、前院長との引継ぎ期間を十分に設けることで患者さんの不安軽減にもつながり、良いと思います。

インタビュアー: ありがとうございました!

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